お気に入りの洋服やアクセサリー、世代を超えて受け継がれたものなど、永く大切にしたい「良いもの」はありますか。好きなものに囲まれた暮らしや、ひとつのものを大切に使い続けるという考え方は、心を豊かにしてくれるかもしれません。 本当に必要なものだけを厳選して、手を加えながら永く愛用していく方法をご紹介します。
クローゼットがお気に入りの洋服だけになると、洋服選びが楽しくなるかもしれません。好きな洋服を永く使い続けるためのヒントを見ていきましょう。
【永く使える洋服の選び方】
「みんなが着ているから」「セールだから」などといった理由で買った洋服を、すぐに着なくなった経験はありませんか。まずは自分自身が「好き」と思えるかどうかを基準に選んでみましょう。
試着すると、体へのフィット感やシルエットも分かります。着心地や裏地の肌触りも感じられるため、永く付き合っていけるかの相性も確かめられます。
ただし、いくら好きな洋服であっても、ある程度質の良い服でなければ使い続けられません。「高価な洋服=長持ちする」とは必ずしも言えないため、自分で見極めることが大切。素材、縫い目の美しさ、裏地の有無など細かいところまでチェックして、自分が愛着をもって着られる、丁寧につくられた洋服を選んでみてはいかがでしょうか。
【洋服を大切に使い続けるために】
お気に入りの洋服ほど出番が多くなりがちですよね。生地が傷まないような正しいお手入れが、永く使い続けるコツです。
ブラッシングも取り入れて、不必要な洗濯は避けます。手洗いする、裏返す、ボタンやファスナーを閉める、クリーニングネットを使うなど洗濯方法に配慮を。乾燥機は使わず、天日干しを避けるなど乾かし方にも気を付けます。つめこみ収納は洋服が傷みやすいため、余裕をもたせて収納することもポイントです。
サイズが合わなくなったお洋服はお直しやリメイクする方法も。着回し力などの着続けるためのスキルも身につけたいところです。
祖母から母へ、母から娘もしくは花嫁へ、さらにその子どもへ……と、何十年、何百年を超えて宝石が引き継がれていくという、古くからの習慣がヨーロッパにはあります。アクセサリーやバッグ、食器類、家具など母親から引き継いだものがあれば、永く大切にしたいものです。
使い続けるためにはメンテナンスが欠かせません。たとえば陶磁器のひび割れや欠けなどは「金継ぎ」によって修復できます。金継ぎとは壊れた部分を漆でくっつけ、金などで装飾してきれいな状態にすることです。キズをなかったことにするのではなく、それも受け継がれてきた歴史として捉え、生まれ変わらせることができます。
本革のバッグや財布は使い込むほどに味が出て、経年変化を楽しめます。使用後はやわらかい布で乾拭きやブラッシングをする、カサついてきたと感じたら専用のオイルで革に潤いを与えるなど、正しいお手入れが必要です。ただし受け継いでいくなかで寿命を迎え、みすぼらしい見た目になってしまうことも。そんなときは、修理や皮の張り替えも検討しましょう。
築古の家も、手を加えて大切に使うことで親から子へ、子から孫へと受け継ぐことが可能です。家族の歴史とともに住まいを受け継ぐためにできるリフォームや、実際のリフォーム事例を見ていきましょう。
【住み続けるために必要なリフォーム】
水回り設備の交換や壁紙の貼り替えといった小規模リフォームはもちろん、間取りを変えるなどの大規模リフォームも必要です。ライフスタイルや家族構成の変化によって、暮らしやすい間取りも変わるもの。住まいを住む人に合わせて変えていくことで、快適に暮らせます。
築年数の経過した住まいは、断熱性能や耐震性が十分でないことも。断熱性のあるサッシへの入れ替えや内窓の設置、壁に断熱材を入れる工事や耐震補強工事なども場合によっては必要になってきます。
老後に備えてバリアフリー化すると安心です。段差をなくして手すりを設置し、車いすでも通れるように出入口や廊下の広さを確保します。生活動線をまとめるとスムーズな暮らしに役立ちます。
上の画像は「80歳まで住める家」をテーマに、間取り変更も含めた大規模リフォームをした事例です。
広々としたリビングや、6畳の洋室をまるごとウォークインクローゼットにするというリフォームによって、快適に暮らせるようになったのだそう。自分の好きなようにできるのは、リフォームならではの特権です。早く帰ってくつろぎたいと思える家が完成しました。
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築40年自宅をリフォーム
古いものに価値を見いだし、良いものを永く使うという考え方は、自分の生き方を見直して価値観を変えることにもつながります。何か買うときは一度立ち止まって、永く大切にしたいと思えるかを自分自身に問いかけてみてはいかがでしょうか。愛着をもって手を加えることで、良いものを永く大切に使い続けられます。