スーパーやKALDIなどの輸入食料品店でずらりと並ぶスパイスを見るとワクワクしてきます。 でも、どんな香りがするのか?そもそも使い方が分からない...など 手にとってみるものの一瓶使いこなせるか悩んでしまいそっと棚に戻す...なんて経験がありませんか? そこで今回のテーマは「スパイス」。 様々なスパイスの効果や香りの特徴、そして自分だけのスパイスの作り方をご紹介いたします。
スパイス売り場にずらりと並ぶスパイスをよく見ると、「ホールタイプ」「パウダータイプ」と記載してあります。
例えばレシピに「ホールタイプ」と書いてあっても売り場に「パウダータイプ」しかない...という場合、代わりにパウダータイプにしても良いのでしょうか?
結論から言うと、ホールの代用としてパウダーはおすすめしません。
なぜなら、料理によって使い分けをするからです。
そうすると、ホールスパイスとパウダースパイスそれぞれの適した使い方が気になります。早速見ていきましょう。
ホールスパイスとは粉末にしていない元の形のままの香辛料のこと。
つまり、ホールスパイスを粉砕すればパウダータイプになります。
パウダースパイスは料理に振りかけたり、煮込み料理に入れたりと馴染みがあるように感じますが、ホールスパイスが使い方がピンとこないですよね。実はホールスパイスはさまざまな使い方ででき、料理の幅や味を一気に広げてくれる強い味方になります!
スタータースパイスとは、油に香りを移す調理手法のこと。エスニックやインド料理でよく使われています。
油は適度に温めしっかりと多めにすること、焦がさないように弱火で丁寧にじっくりと炒めるのがポイントです。
スパイスを油へ投入する温度の目安はスパイスを入れた時に「シュワー」と泡立つ程度です。
スタータースパイスで使ったスパイスはそのまま一緒に調理して、直接鼻を通る香りを楽しむことができます。
ただし、唐辛子などの刺激が強いスパイスは辛味が苦手な方は取り除きましょう。
クミンシード
カレーパウダーのメインスパイスの1つ。独特の強い芳香を持ち、ほろ苦さとわずかな辛味を感じられます。
加熱に強いことと馴染みのある香りからはじめて手にとるホールスパイスとして人気が高いです。
ニンジンやカボチャ、カリフラワーなどの甘味のある野菜と相性抜群!
油を温めてクミンシードを加え、香りが立ったら千切りやピーラーで薄くスライスしたニンジンと炒め、シンプルに塩で味付けすればまるで本格的な「クミン薫るニンジンラペ」の出来上がりです。
食材を変え、さまざまなレシピに応用することができそうですね。
マスタードシード
そのままでは味も香りもないが、噛むと苦味や刺激的な辛味を感じることができるマスタードシード。
マスタードは私たちにも馴染みがありますね。
マスタードシードとしてスーパーに売られているものには「ブラック(ブラウン)マスタード」と「イエロー(ホワイト)マスタード」の2種があります。それぞれ辛味や風味が異なり、ブラックマスタードは辛味がほどほどにあり、イエローマスタードは辛味は穏やかで旨みが強いです。
ちなみに納豆やおでんでお馴染みの「和芥子」はブラックマスタードから作られています。
キャベツ炒めのスタータースパイスとして使うとスパイスの香ばしさがキャベツの甘みを引き立ててくれ最上のサイドデニッシュとなります。
また、そのまま水に戻してあえるだけの自家製粒マスタードもおすすめです。
イエローマスタードシード(大さじ2)とブラウンマスタードシード(大さじ1)を乳鉢(なければ小鉢等)に入れ、ひたひたの水で約30分戻し、半分ほど乳棒(なければスプーン)ですりつぶし、白ワインビネガー(大さじ2〜3)と砂糖・塩(各小さじ1-2)を入れ馴染ませれば完成です。
マスタードシードを常備しておけばいつでも必要な量を作ることができ、作りたて特有のフレッシュなキレのある美味しさを楽しめます。
甘く刺激的な芳香とかすかな苦味が特徴のナツメグ。
ナツメグとは長さ4センチほどのあんずに似た果実の種の中にある仁のことです。
おすすめの使い方
肉料理、特にひき肉料理の臭み消しに最適です。ハンバーグ・ロールキャベツ・ミートボールなどの臭みを消して、ほのかに甘い香りをつけてくれます。実はクッキーやジャム、コンポートなどのお菓子作りにも使われシナモンと使うと風味がアップします。
また、乳製品独特の臭みも消して引き締まった味わいにしてくれるのでホワイトソースやクリームシチューを作る時に隠しスパイスとして一振りするのもおすすめです。
ふわりとやさしい甘い香りに、ほのかな苦味や渋みを感じさせるシナモンは、聖書にも記載がある「世界最古のスパイス」と言われ、古代から愛されているとか。
アップルパイなどのスイーツやチャイなどの飲み物に使われるのでお馴染みのスパイスの1つではないでしょうか。
ナツメグと同様、肉の臭みを消す効果もあるので肉料理の仕込みに振りかけたり、ミルクティーやサングリアに加えたり、砂糖と一緒にトーストに振りかけるなど気軽に使えるところも◎
また、シナモンスティックはコーヒーや紅茶に添えられることが多く、混ぜて香りを移して楽しみます。
いかがでしたか?
スパイスは食材の美味しさを引き出してくれる頼もしい相棒のような存在。
あなたもスパイスの扉を開いてみませんか?
【参考文献】いちばんくわしいスパイス便利帳 (世界文化社)