建具(扉)は、個々のお部屋だけでなく、家全体の印象を大きく左右する建築設備の1つです。
リフォームする際には、使い勝手やデザイン、そして空間に合ったものを的確に選ばなければなりません。
今回は、建具選びのコツと注意点を解説します。希望どおりの住空間を演出する建具選びの参考にしてください。
3種類の建具とは?
建具(たてぐ)とは、部屋やスペースを区切る装置や設備の総称です。間取りや用途に応じてさまざまな種類や形状があり、代表的なものには開き戸・引き戸・折れ戸の3つがあります。
ここでは、それぞれの特徴をみていきましょう。
開き戸
開き戸は、開閉する扉が内側または外側に動く構造を持ちます。扉を閉めると外部との接触が遮られ、気密性に優れているのが大きな特徴です。
シンプルな設計でさまざまな素材やスタイルで提供されていますが、設置する際には稼働スペースを十分に確保しておく必要があります。
周囲に壁や家具があると扉の開閉が制限されるため、レイアウトの変更やリフォームの際には注意してください。
引き戸
引き戸は、壁面に沿ってスライドして開閉する構造です。レール型と呼ばれる溝やレールの上を滑らせる仕様の他、上部にレールを設置した吊り型があります。
通気や採光を簡単に調整できるのが、引き戸の大きな特徴です。
開閉にスペースを取らないため、スタイリッシュなデザインのものも提供されています。
気密性は劣るものの、少ない力で楽に開閉でき、高齢者や小さい子どもには使い勝手のよい建具です。
折れ戸
折れ戸は開閉の際に扉が折りたたまれる構造で、開閉スペースを取らず空間を広々と使えます。コンパクトなデザインのものが多く、スムーズに開閉できるのも特徴の1つです。
扉と扉の間の連結部分に手を挟むケースが多いため、開閉時は注意してください。
折れ戸は、クローゼットやパントリーなどの収納扉によく使われます。
効果的に配置すれば、家全体のスペースを広く利用できます。
【お部屋別】建具選びのコツ
建具はお部屋の一部として室内の雰囲気に合ったものを選ぶ必要があります。お部屋の用途にも合わせなければ、スペースを有効に活用できません。
ここでは、お部屋のタイプ別に建具選びのコツを紹介します。
和室
和室には床の間など特有のインテリアに合い、スペースを効果的に活用できる建具を選びましょう。畳が敷き詰められている和室には、木製のデザインを採用した引き戸がよく似合います。
引き戸は壁面に沿ってスライドするため、開閉時の動作が静かでスペースも取りません。
上部に設置したレールだけで開閉できる吊り型の仕様も、和室にはよく合います。
扉を開けたとき、お部屋が広々と感じられるものを選んでください。
リビング
リビングは、家族の団らんを楽しむ場所であり、生活導線の中心です。テレビの音や会話を漏らさない気密性の高い開き戸や、スムーズな移動がしやすく開閉が容易な引き戸を選びましょう。
リビングからの明かりが漏れ廊下を明るくできるよう、ガラスが入ったタイプのものも取り扱われています。
建具によって室内の印象が大きく変わるため、壁紙や床材、インテリアに合ったものを選んでください。
寝室
寝室には、プライバシーを確保し、静かにリラックスできる雰囲気を作り出す建具が必要です。快適な睡眠環境の確保には、適切な温度と湿度を維持しなければなりません。
気密性に優れた開き戸を選べば、高い睡眠効率が期待できます。
開閉音が気になるならば、スムーズに出入りができる引き戸を選びましょう。
ゆっくりとくつろげるものを選ぶのが、寝室の建具選びのコツです。
トイレや洗面所
匂いや湿気は外部に漏らしたくないため、トイレや洗面所には密閉ができる建具を選びましょう。トイレには気密性の高い開き戸を選べば、匂いや音を気にする必要がありません。
狭い空間や、廊下に面している場合は、密閉性の高い折り戸も検討してください。
一日に何回も使う場所なので、便利で機能性のよい建具を選ぶのがコツです。
リフォームで建具を選ぶ際の注意点は?
前よりも使いにくく、周りのインテリアや室内の雰囲気にも合っていなければ、リフォームの効果を感じられません。ここでは、リフォーム時に注意するポイントを2つ紹介します。
使い勝手の良さを考える
建具をリフォームする際には、今まで使っていたものよりも便利で、生活がしやすくなるものを選ばなければなりません。特に使い勝手のよさが重要で、今までの仕様と異なる仕様が現状の生活に合うことも重要です。
使い勝手のよさと将来性を考えて、機能やデザインを選びましょう。
空間に調和したデザインにする
建具のデザインによって、お部屋や設置場所の印象は大きく変わります。新しいものにリフォームしたあとで、空間全体がアンバランスにならないように注意してください。
現状の壁紙やインテリア、照明の色に合うものを選びましょう。
空間に調和したデザインは、違和感のない魅力的な空間を実現でき、リフォーム効果を感じさせてくれます。
まとめ
建具をリフォームする際には、お部屋の用途や設置場所に応じて、開き戸・引き戸・折れ戸を適切に選んでください。使い勝手や空間に調和したデザインを考慮して選べば、お部屋全体の雰囲気を変えられ、新鮮な気持ちで生活できます。
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