リフォームのノウハウ
2024.04.23
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ペニンシュラキッチンはキッチンの形の一つであり、対面キッチンで片側が壁にくっついている形状のものをいいます。そのほかに、一般的なI型キッチンをはじめ、L型、アイランド型、Ⅱ型など様々ありますが、今回はペニンシュラキッチンについて特徴やメリット・デメリット、選ぶ際のポイントを紹介していきます。


<目次>

1.ペニンシュラキッチンの特徴

2.ペニンシュラキッチンのメリット・デメリット

3.ペニンシュラキッチンを選ぶ際のポイント

4.ペニンシュラキッチンリフォーム事例3選

5.まとめ

1.ペニンシュラキッチンの特徴

ペニンシュラキッチンとはどのようなキッチンなのか、ペニンシュラキッチンの特徴やカウンターキッチン、アイランドキッチンとの違いについてまとめました。

1-1.ペニンシュラキッチンの特徴
キッチンにはⅠ型に代表される壁付け型、対面型に分かれていますが、ペニンシュラキッチンは、いわゆる「半島」のように片側が壁と接している対面型キッチンの1つです。

ペニンシュラキッチンはさらに細分化することができ、オープンタイプとセミオープンタイプに分けられます。オープンタイプは文字通り開放的なタイプのキッチンで、壁などもなく、反対側からも家事に参加できるような状態です。

一方、セミオープンタイプはキッチンの上に戸棚などが設置されているため、開放的な要素は控えめとなっていますが、キッチンとしての区画をはっきりさせ、料理の匂いなどもできるだけキッチン内でとどめさせることができるなど、メリットも見られます。

1-2.カウンターキッチンとの違い
一般的に浸透しているのはカウンターキッチンですが、形状的にはペニンシュラキッチンとほとんど変わりがありません。カウンターキッチンは一般的に対面キッチンとして見られており、したがってペニンシュラキッチンと同じと考えられても、その違いを見分けるのは難しいでしょう。

厳密に言えば、カウンターキッチンにはカウンター式とフルオープン式の2つがあり、ペニンシュラキッチンはカウンターキッチンのフルオープン式と同等と見なすことができます。カウンターキッチンはカウンターがあるものであり、ペニンシュラキッチンはカウンターがないものと区別することもできます。

一方、アイランドキッチンは1つの島のように独立したキッチンです。その開放感は非常に強く、アイランドキッチンは部屋の中心となりやすく、一般的なキッチンよりもデザイン性に優れています。

ペニンシュラキッチンでは半島部分からの作業が可能ですが、アイランドキッチンではどこからでも複数の人が調理に参加できます。また、コミュニケーションの取りやすさにおいても、アイランドキッチンが優れています。

ただし、アイランドキッチンでは匂いがリビングに広がりやすく、水回りの汚れなども考慮しなければなりません。そのため、開放的なキッチンの特性上、ペニンシュラキッチンよりも全てが勝っているとは限りません。
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2.ペニンシュラキッチンのメリット・デメリット

ペニンシュラキッチンにはメリットもあればデメリットもあります。ここではペニンシュラキッチンのメリット・デメリットをご紹介します。

2-1.ペニンシュラキッチンのメリット
ペニンシュラキッチンのリビング側とコミュニケーションの取りやすいというメリットがあります。壁付けキッチンの場合、料理中はリビングに背を向けることが多く、お子さんの動きやテレビ・映画の様子を見ることができません。壁付けキッチンだと暗く閉鎖的な空間で疎外感を感じてしまう人も目立ちます。

ペニンシュラキッチンの場合、リビングに身体を向けて作業が行えるので、お子さんの動きも逐一見ることができ、テレビなども見られます。お子さんとのコミュニケーションもしやすく、疎外感を感じにくくなるでしょう。

特に小さなお子さんがいるご家庭では、リビングを走り回るお子さんを注意をしたり、忙しい朝にご飯を食べさせつつ家事を行ったりするのにペニンシュラキッチンはかなり効果的です。カウンターを通じてお子さんとの交流が深められるのは、共働きでコミュニケーションをとる機会が限られやすい現代において必要です。

またリビングが多少狭くてもペニンシュラキッチンにすれば空間を広く活用できるため、狭さを感じにくくなります。開放的になるのはキッチンだけでなく、部屋全体に言える話で、スペースの有効活用を考えるのであれば、ペニンシュラキッチンがおすすめです。

もしアイランドキッチンにした場合、アイランドキッチンにするとペニンシュラキッチンよりも幅をとることになるため、リビングのスペースをその分削ってしまいます。ペニンシュラキッチンであればアイランドキッチンよりはスペースが必要なく、しかも開放感を感じさせるため、大きなメリットと言えます。

そして、アイランドキッチンと比べると収納スペースを別に確保した上である程度の独立が行えるので、メリハリをつけて利用することができます。ペニンシュラ部分には最大限モノを置かず、別の場所を収納スペースにするという使い方で整理整頓をしっかり行えるようになるのもメリットと言えるでしょう。

2-2.ペニンシュラキッチンのデメリット
ペニンシュラキッチンのデメリットですが、一番はキッチン特有の料理や食器洗いなどで生じる油はねや水はねの問題です。開放的であるということは油や水が飛び散る可能性を秘めており、ケアを怠ればリビングまで汚れやすくなってしまいます。壁がないのがメリットである一方、壁がない分、防ぎきれないのがデメリットになるのです。

また煙や匂いがリビングに充満しやすいため、インテリアに煙や匂いが染みつきやすいというデメリットも考えられます。そして、ペニンシュラ部分の収納スペースが足りないために、別にスペースを確保するデメリットも生じるなど、メリットばかりとは言えません。

しかし、これらのデメリットはそれぞれのデメリットを防ぐ対策が講じやすく、それぞれで対応をしていけば十分カバーできるデメリットであり、致命的なデメリットとは言えません。煙や匂い対策は換気扇の活用など、水はねや油はねはガードの設置や手元を隠すレベルの壁を設置して開放感を確保するなど、設計段階で対策を立てられます。

もう1つペニンシュラキッチンのデメリットとして、整理整頓をしないと雑然とした様子が丸見えになってしまう点です。壁付けキッチンだった場合は色々なものを置いていたとしてもそこまで雑然とした印象は感じずに済みました。しかし、収納として活用できた壁を、ペニンシュラキッチンでは使えないため、より雑然としやすくなり、ごちゃごちゃした見た目になりやすいです。

特に手元が見えるようなキッチンだとごちゃごちゃしているのが丸わかり。特に料理途中で、食べ物などが使いかけのような状態で置いてあるとあまり清潔な印象も与えないので、がさつな印象すら与えかねません。

ペニンシュラキッチンにすることでホームパーティーができるようなおしゃれなキッチンになりますが、手元が見えることで自分の調理スキルが露呈してしまうというデメリットも生じます。せっかくのメリットがうっかりデメリットになってしまうのは残念ですが、これも油はねや水はね対策のようにガードの設置や若干壁を作ることで解決します。
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3.ペニンシュラキッチンを選ぶ際のポイント

ペニンシュラキッチンのメリット・デメリットを理解したところで、次はペニンシュラッキッチンをどのように選んでいくか、選び方についてご紹介します。

3-1.キッチン内の動線を考える
ペニンシュラキッチンにおいて重要なのは、「ワークトライアングル」という概念です。このワークトライアングルは、シンク、コンロ、冷蔵庫の配置関係を示し、これら3つの距離が適切なバランスで配置されることで、効率的な動作が可能になります。距離が長すぎると効率が損なわれ、短すぎるとスペースが狭くなり不便になる可能性もあります。理想的な配置は、正三角形のような形状です。

一般的に、理想的な距離は約1メートル20センチから2メートル未満とされており、この範囲内で配置されると理想的なワークトライアングルが完成します。また、通路幅も考慮に入れて、キッチン内の動線を設計していきます。

実際にキッチンを使用する人が、ショールームなどで配置を確認しながら最適な動線を模索することが重要です。ワークトライアングルを実際に体感しないと、理論上の構想にとどまることもあります。実際に試して理想的な距離を探求することで、より理想的なキッチンを実現することができます。



3-2.収納力の高い本体を選ぶ
ペニンシュラキッチンにおける収納の課題に対処するためには、収納力の高いキッチン本体を選択することが重要です。上部の棚に収納していたものが使用できなくなる可能性はありますが、下部には多くの収納スペースが利用できます。そのため、収納力が高い本体を選択することが確実な解決策です。

また、キッチンの後ろ側にスペースを確保して収納力を強化する方法や、床下収納を設置することも考えられます。さらに、吊戸棚を設置して収納スペースを増やすことも有効です。できるだけ本体の収納力だけで収まるようにすることが理想的です。

壁付けキッチンでは壁を使った収納が一般的でしたが、ペニンシュラキッチンになるとその手法は使えなくなります。ペニンシュラキッチンへの切り替えを機に、未使用のアイテムを整理してスッキリさせることも考えられます。収納に関する再考の絶好の機会です。

3-3.におい対策を考えておく
料理の香りや魚の煙、油の跳ねなど、これらの問題に対処しないと部屋の清潔さに影響する可能性があります。しかし、油跳ねや水跳ねには、オイルガードなどの予防策を事前に施すことで対処できます。同様に、臭いに対する対策も事前に考えることができます。

最も効果的な方法は、高性能の換気扇を利用することです。ペニンシュラキッチン用の換気扇は、煙や香りを広範囲に吸い込み、強力な排気力で取り除いていきます。見た目もスタイリッシュで、部屋の雰囲気に調和させることも可能です。

一部の換気扇は、油を含んだ煙を吸い込む際に油と煙を分離する機能を備えています。性能の高いペニンシュラキッチン用の換気扇は多種多様に提供されているため、部屋のサイズに合わせて選択することがおすすめです。

3-4.家電を考慮したコンセント位置
ペニンシュラキッチンでは、コンセントの配置が非常に重要です。食器乾燥機や炊飯器などの家電製品の使用が想定されるため、事前にコンセントの数や位置を検討しておかないと、使い勝手の悪いキッチンになる可能性があります。

一方、リフォームやリノベーションによってペニンシュラキッチンを導入する場合は、既存のコンセントの配置や数を考慮する必要があります。工事によってコンセントの変更が可能かどうかも確認しておく必要があります。

また、コンセントの数を無闇に増やすことは容量の問題も引き起こす可能性があるため、効果的な配置が重要です。食器乾燥機のスペースなども考慮しながら、コンセントの位置を決定していく必要があります。

システムキッチンの場合、コンセントを横や高い位置に配置することで、しゃがまずに使用できる利点があります。しゃがまずに使用できるように、コンセントの位置を検討することも重要です。

4.ペニンシュラキッチンのリフォーム事例3選

最後に、リフォームを行ってペニンシュラキッチンに切り替えた方たちのリフォーム事例を3つご紹介します。


会話しながら料理ができるペニンシュラキッチン


ペニンシュラキッチン①
ペニンシュラキッチン施工事例①




オールステンレスなペニンシュラキッチン


ペニンシュラキッチン②
ペニンシュラキッチン施工事例②








趣味を楽しむ大人ブラックなペニンシュラキッチン


ペニンシュラキッチン③
ペニンシュラキッチン施工事例③






5.まとめ

ペニンシュラキッチンは、一戸建てやマンションなどのやや狭い空間でも広々とした雰囲気を演出することができます。アイランドキッチンだと場所を取りすぎてしまい、効果的に活用することが難しいですが、ペニンシュラキッチンなら広々とした空間を演出できるため、コストパフォーマンスも良いです。
ペニンシュラキッチンへの移行には、コンセントの数や配置、油はねや水はねなどの課題がありますが、それらを乗り越えることができます。しかし、キッチンについて真剣に考える機会は滅多にありません。ですから、この貴重な機会を利用して、自分の理想に近づくペニンシュラキッチンを目指しましょう。


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