リフォームのノウハウ
2024.03.11
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昨今、外壁材として主流となっているのが「窯業系サイディング」と「ガルバリウムなどの金属系外壁材」です。しかし、これらの外壁材について十分に理解している人は少ないかもしれません。そこで今回は、それぞれの外壁材の特徴や利点、欠点などを詳しく解説します。リフォームを検討している方の参考になれば幸いです。



目次

窯業系サイディングの特徴

ガルバリウムの特徴

窯業系サイディングのメリット・デメリットは?

ガルバリウムのメリット・デメリットは?

どちらを選ぶ?目的別外壁材の選択ポイント

窯業系サイディング・ガルバリウムのリフォーム費用の相場はどれくらい?





窯業系サイディングの特徴

窯業系サイディングは、セメント質原料と繊維質原料を混合し、高熱処理されて薄い板状に加工された外壁材です。日本産業規格(JIS A 5422 2019)に準拠し、建物の外壁に貼るための仕上げ用の板材として使用されます。1990年代以降、その耐久性やデザインの自由度から外壁材の主流となり、市場シェアは約8割にも達しています。
また、新築戸建て住宅の外壁として75%以上に使用されており、最近では店舗・倉庫・オフィスなどの中層非住宅にも多く使用されています。



窯業系サイディングとは

出典:一般社団法人日本窯業外装材協会(NYG)



その他のサイディングの種類

木質系サイディング

天然木を材料にして作られ、表面に塗装が施されています。木の風合いや温かみが魅力で、自然な雰囲気を演出します。ただし、水に弱いため、雨風や湿気にさらされる場所では定期的なメンテナンスが必要です。

樹脂系サイディング

プラスチックの一種である塩化ビニル樹脂を板状に加工したものです。耐久性が高く、メンテナンスが簡単であるため、近年人気が高まっています。ただし、日本ではまだあまり一般的ではなく、取り扱っているメーカーも少ないです。

これらのサイディングも外壁材として広く利用されており、建物の外観や用途に応じて適切な素材を選ぶことが重要です。



ガルバリウムの特徴

ガルバリウムは金属素材を成型した金属系サイディングの一種です。アメリカで1972年に開発され、広く普及しています。ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛・シリコンでめっきされた金属鋼板であり、「アルミ亜鉛合金めっき鋼板」とも呼ばれます。耐食性が高く、サビに強い特性があります。近年では、耐食性を更に向上させた「次世代ガルバリウム鋼板(SGL)」という製品も登場しています。

その他の金属系サイディングの種類

トタン

亜鉛メッキ加工された鋼板で、特に「波板」として知られています。倉庫や工場などで広く使用されています。加工が容易で安価なため、建築物の一次構造によく利用されます。ただし、耐久性や外観の面で他の素材と比べると劣ることがあります。

アルミサイディング

鋼板にアルミニウムを使用した建材です。軽量で錆びにくく、耐久性があります。高温や湿気にも強いため、耐候性に優れています。一方で価格は高めですが、その耐久性とメンテナンスの容易さから高い人気を誇ります。

ステンレス鋼板

サビや高温に強く、耐久性に優れた特性を持ちます。加工が容易でメンテナンスも比較的簡単ですが、金属系サイディングの中では最も高価です。そのため、高級な建築物や特に耐久性が必要な場所で使用されます。



窯業系サイディングのメリット・デメリットは?

それでは、窯業系サイディングのメリット・デメリットを見ていきましょう。

窯業系サイディングのメリット

①初期費用が抑えられる

工場で大量生産されており、現場施工が比較的簡単なため、初期費用を抑えることができます。

②耐火性に優れている

不燃・準不燃材料として国土交通大臣認定を取得しており、耐火性に優れています。建物の安全性を高めます。

③デザイン・カラーバリエーションが豊富

多彩なデザインやカラーバリエーションが用意されており、外観を自由にカスタマイズすることができます。様々なテイストに対応可能です。

窯業系サイディングのデメリット

①こまめなメンテナンスが必要

塗装の劣化やひび割れ、塗膜の剥がれなどが雨漏りなどの問題を引き起こす可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要です。

②熱が蓄積しやすい

セメントは熱を吸収しやすく、夏季に外壁の温度が上昇し室内温度も高くなりやすい傾向があります。適切な断熱対策が必要です。

③防水機能がやや低い

原料のセメント自体に防水機能がないため、塗装によって防水機能を持たせています。塗膜が劣化すると水がしみ込む可能性があるため、定期的な塗装の必要があります。

これらの特徴を考慮し、建物の用途や環境に応じて適切な外壁材を選択することが重要です。



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ガルバリウムのメリット・デメリットは?

ガルバリウムのメリット

①耐久性が高く長持ちする

ガルバリウムはアルミニウムを含んだめっきが施されており、耐久性が高いため約25年〜35年の長寿命が期待できます。さらに定期的な塗装メンテナンスで耐久性を向上させることができます。

②軽量なため地震に強い

ガルバリウムは軽量であり、地震時の建物への負荷を軽減します。そのため、耐震性が高く地震に強い外壁材として利用されます。

③防水性が高く、錆びにくい

ガルバリウムは外壁の隙間が少なく、防水性が高い特性があります。また、アルミニウムのめっきにより錆びにくいため、耐久性が向上します。

④熱に強い

ガルバリウムの表面は熱の反射性が高く、熱の吸収率が小さいため室内の温度上昇を防ぎます。熱に強い特性があります。

⑤独特の質感が魅力

金属素材特有の質感があり、シンプルでモダンな外観を演出します。都会的でスタイリッシュなイメージにぴったりです。

ガルバリウムのデメリット

①傷が付く

表面のめっきに傷がつくことがあります。傷を放置すると内部が錆びやすくなる可能性があります。

②錆びる場合がある

沿岸地域や工場地帯などでの使用時には、錆びる可能性があるため適切なメンテナンスが必要です。

③衝撃に弱い

外部からの衝撃で凹みができることがあります。適切な製品選定が重要です。

④デザインのバリエーションが少ない

窯業系サイディングと比較すると、デザインバリエーションが少ないことがあります。

⑤断熱性や遮音性が低い

金属素材自体の特性上、断熱性や遮音性が低い傾向があります。これらの性能を補う対策が必要です。



どちらを選ぶ?目的別外壁材の選択ポイント

耐震性を重視したい場合

ガルバリウムがおすすめです。軽量で地震時の建物への負荷が少なく、耐震性に優れています。

メンテナンス費用を抑えたい場合

ガルバリウムがおすすめです。防水性が高く、塗装やコーキングのメンテナンスが少なくて済みます。

トータルコストを抑えたい場合

ガルバリウムがおすすめです。長期的なメンテナンス費用を考慮すると、ガルバリウムの方が経済的です。

初期費用を抑えたい場合

窯業系サイディングがおすすめです。大量生産で価格が安く、工事の手間も少ないため初期費用を抑えられます。

これらのポイントを考慮して、リフォームの目的や予算に合わせて外壁材を選択することが重要です。



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窯業系サイディング・ガルバリウムのリフォーム費用の相場はどれくらい?

外壁をリフォームする工法は、大きく分けて張り替え工法とカバー工法(重ね貼り)があります。外壁材と工法別に相場価格は以下の通りです。

・張り替えとは?
この工法は、既存の古い外壁材を撤去し、新しい外壁材を取り付ける方法です。特に窯業系サイディングへのリフォームの場合は、張り替えが推奨されます。外壁を完全に取り替えるため、新しい外壁材をしっかりと取り付けることができます。

・カバー工法(重ね貼り)とは?
この工法では、既存の外壁材を撤去せずにその上から新しい外壁材を貼り付ける方法です。古い外壁材の撤去費用がかからないため、その分費用を抑えることができます。ただし、建物の重量が増加し、耐震性が弱くなる可能性があるため、重量が軽い金属系サイディングを選択することが推奨されます。

窯業系サイディングのリフォーム費用相場について、2つの工法を120平方メートル(約30坪)の住宅を対象に比較!



窯業系サイディング張り替えの費用相場

サイディングボード費: 35万円〜75万円
既存外壁材の解体・処分: 20万円〜50万円
足場・養生: 15万円〜35万円
コーキング※: 20万円〜30万円
内部補修など: 40万円〜70万円
合計: 130万円〜260万円
※ ボードとボードの継ぎ目をシーリング材で埋める工事

窯業系サイディングカバー工法の費用相場

サイディングボード費: 35万円〜75万円
足場・養生: 15万円〜35万円
コーキング: 20万円〜30万円
内部補修など: 40万円〜70万円
合計: 110万円〜210万円

カバー工法の場合、既存外壁材の解体費用と処分費用がかからないため、張り替えよりも総額を抑えられることが特徴です。
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ガルバリウムのリフォーム費用相場について、2つの工法を120平方メートル(約30坪)の住宅を対象に比較!

ガルバリウム張り替えの費用相場

ガルバリウム鋼板価格: 50万円〜120万円
既存外壁材の解体・処分: 20万円〜50万円
足場・養生: 15万円〜35万円
下地処理・補修: 30万円〜50万円
作業費用: 20万円〜30万円
その他諸経費: 10万円〜20万円
合計: 145万円〜305万円

ガルバリウムカバー工法の費用相場

ガルバリウム鋼板価格: 50万円〜120万円
足場・養生: 15万円〜35万円
下地処理・補修: 30万円〜50万円
作業費用: 30万円〜40万円
その他諸経費: 10万円〜20万円
合計: 135万円〜265万円
これらの費用相場は、一般的なグレードの鋼板を使用したガルバリウム外壁のリフォームの一例です。


窯業系サイディングとガルバリウム、両方の外壁材について特徴やメリット・デメリット、そして適用可能な工法について詳しくご説明しました。もし更に詳細な情報をお求めであれば、お気軽にフジケンリフォームまでご相談ください。専門のスタッフがお客様のご要望に応じて最適なアドバイスを提供いたします。

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