リフォームのノウハウ
2024.10.22
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近年、PFAS(ピーファス)がネットニュースやテレビで頻繁に取り上げられ、その危険性が広く知られるようになっています。PFASは撥水性や耐油性に優れ、多くの製品に使用されていますが、その特性から環境中に蓄積しやすく、飲料水や食品への混入が懸念されています。
最近の研究では、PFASが血中に基準の何倍も含まれるケースが確認されており、特に子どもや妊婦に対する健康リスクが指摘されています。免疫系やホルモンバランスへの悪影響が報告され、私たちの健康が脅かされる可能性があります。このような状況に対する不安が高まる中、多くの人が自分や家族の健康について敏感になっています。
本コラムでは、PFASの基礎知識、愛知県における検出状況、家庭での具体的な対策、効果的な浄水器の選び方などを詳しく考察し、私たちが健康を守るために知っておくべき重要な情報を提供します。今こそ、PFASに対する理解を深め、適切な対策を講じることが求められています。(NHK_NEWS WEB)



目次

1.今話題のPFAS(ピーファス)って何?

2. PFAS(ピーファス)の体への影響は大丈夫なのか?

3. PFAS(ピーファス)の愛知県での検出状況

4.各家庭ででききるPFAS(ピーファス)対策

5.日本の水道の基準とPFAS(ピーファス)に効果的な浄水器

6.PFAS(ピーファス)に関するまとめ





1.今話題のPFAS(ピーファス)って何?

PFAS(ピーファス)とは、「ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物(Per- and polyfluoroalkyl substances)」の略で、有機フッ素化合物の総称です。
PFAS(ピーファス)は、1950年代から広く使用されてきた人工的に合成された化学物質で、耐熱性や耐油性、耐水性に優れており、日常生活の多くの製品に利用されています。例えば、フライパン、食品包装、撥水性のある衣類、耐火剤、工業用途の潤滑剤などに含まれています。
PFAS(ピーファス)の最大の特徴は、非常に強固な化学結合を持ち、自然界で分解されにくいことです。そのため、いわゆる「フォーエバーケミカル」とも呼ばれています。環境中に放出されると、土壌や水、さらには生物の体内に蓄積され、長期間にわたり残留します。これは環境汚染の原因となり、人間や動物への健康リスクを引き起こす可能性があります。

健康面に関しては、PFAS(ピーファス)が人体に及ぼす影響が懸念されています。
研究によれば、PFAS(ピーファス)に長期間さらされることで、様々な健康へのリスクが高まる可能性があるとされています。近年、PFAS(ピーファス)汚染が世界的に注目されるようになり、各国で規制が強化されています。例えば、欧州連合(EU)やアメリカでは、特定のPFAS(ピーファス)の使用を制限する法規制が進められています。
また、日本でも、PFAS(ピーファス)汚染に対する対応が急務となっており、地方自治体や企業が積極的に調査や対策に取り組んでいます。とはいえ、完全に排除するのは難しいため、現在も多くの研究者が環境中のPFAS(ピーファス)の除去方法や人体への影響を減らす手段を模索しています。(環境省_有機フッ素化合物)

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2.PFAS(ピーファス)の体への影響は大丈夫なのか?

PFAS(ピーファス)は数多くある有機フッ素化合物の総称であり、そのすべてが健康への影響を懸念されているわけではありません。
すべてのPFASが有害と確定しているわけではありませんが、『PFOS(ピーフォス)』および『PFOA(ピーフォア)』の2つについては、国際条約により製造や輸入が禁止されています。
それ以外のPFAS(ピーファス)に関しては、まだ十分な情報が揃っていない部分も多く、まだわからない点が残っています。PFAS(ピーファス)に対する規制は徐々に進んでいるものの、地下水や土壌には依然として残存しているとされています。



●PFAS(ピーファス)の特徴



  1. 自然界で分解されにくい

  2. 体内に蓄積され、排せつされにくい

  3. 広まりやすい



01.自然界で分解されにくい
PFAS(ピーファス)は、自然環境(土壌や水)で分解されるのに非常に長い時間がかかり、その半減期は50年以上とも言われています。この分解の困難さから、PFAS(ピーファス)は「永久化学物質」(フォーエバー・ケミカル)と称されることがあります。

02.体内に蓄積され、排せつされにくい
PFAS(ピーファス)が体内から排出されるまでに3〜5年かかるとされており、体内に蓄積しやすい特徴を持っています。また、妊娠中の女性から胎児へは、へその緒を通じて約30%の濃度でPFAS(ピーファス)が移行することが確認されています。

03.広まりやすい
水に溶けやすく川や海から広がり、魚介類から検出されることもあるということです。




PFOS及びPFOAの体への影響としてコレステロール値の上昇、出生時の体重低下、ワクチン接種後の抗体低下、腎臓がんのリスク増加等との関連が報告されていますが、科学的な知見は不十分です。そのため、国際的に様々な知見に基づく検討が進められています。
なお、報道(令和5年12月)によると、世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)は、PFOAの発がん性を「可能性がある」から「ある」に認定し、PFOSは新たに「可能性がある」の分類に追加しました。
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3. PFAS(ピーファス)の愛知県での検出状況

日本におけるPFAS(ピーファス)の基準値は、暫定的な水質目標値として設定されています。
具体的には、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)の合算値で、1リットルあたり50ナノグラム以下が目安となっています。この基準値は、2020年に環境省が水道水中のPFAS(ピーファス)に関する水質管理目標として示しました。わかりにくい単位だと思うので、わかりやすい物に例えるとイメージとして25Mプールに塩を150粒入れる程度の量です。これくらいの少量であれば、毎日摂取していたとしても体への影響は問題ないとされています。
これに基づき、各地で水質検査が行われ、目標値以下であることが確認される場合が多いですが、PFAS(ピーファス)の長期的な影響や環境中での蓄積性が懸念されているため、今後の研究結果や国際基準の変更に応じて、さらに厳しい規制が導入される可能性があります
一方、ドイツ(2028年から)ではPFOS・PFOAなどの合計が1リットルあたり20ナノグラム、アメリカ(今年4月決定)はPFOS・PFOAそれぞれ1リットルあたり4ナノグラム。考え方の違いなどにもよりますが、海外では日本に比べて厳しい基準が設けられています、将来的に日本でも基準が見直される可能性があると考えられています。


●愛知県での浄水施設別PFAS(ピーファス)検出状況


下記の表はそれぞれの浄水場で検出されたPFAS(ピーファス)の値です。PFAS(ピーファス)は「水質管理目標設定項目」で水道事業者などによる調査が義務づけられていません。調査は任意で行われているためデータのない浄水場もあります。


  1. 愛知県犬山市の城東浄水場で10ナノグラム

  2. 愛知県豊田市の中切水源配水場で10ナノグラム

  3. 愛知県豊田市の志賀配水場で6ナノグラム

  4. 愛知県岩倉市の岩倉団地配水場で43ナノグラム




環境省が公表した河川などのPFOS、PFOA の国内の検出状況調査結果より愛知県の実態を見ると暫定目標値(50ナノグラム/1L)を越える河川は半田市(99ナノグラム/1L)でした。もちろん河川の水を直接飲むことはないかと思いますので、影響は少ないと思いますが、実態として、基準値を超える状態となりました。

4.各家庭ででききるPFAS(ピーファス)対策

ここまでPFAS(ピーファス)について紹介してきましたが、たとえ基準値内であったとしても、できるだけ水道水からのPFAS(ピーファス)を減らしたいと考える方も多いでしょう。特に、PFAS(ピーファス)は長期間体内に蓄積する可能性があり、健康リスクを軽減するためにも対策をしたいですよね。

まず、水をキレイにするために多くの人が思い浮かべる方法の一つが「沸騰」ですが、PFAS(ピーファス)は非常に安定した化学物質であり、沸騰では除去できません。例えば、食中毒を防ぐために水を煮沸消毒するのは効果的ですが、PFASに対してはこれが通用しません。これは、PFAS(ピーファス)の分解には極めて高い温度が必要で、一般的な家庭での沸騰では不十分であるためです。
また、飲み水としてペットボトルの天然水を選ぶ方も多いかもしれません。現時点では、市販のボトルウォーターはほとんどの場合PFASの影響を受けていないとされています。ただし、一部の地域では地下水汚染が懸念されるため、選ぶ際には水源や品質管理についての情報を確認することが重要です。
自宅でできるPFAS(ピーファス)対策としては、「浄水器」が有効です。特に、活性炭フィルターを搭載した浄水器が推奨されており、PFASの7~8割を除去できるとされています。このように、沸騰ではなく、適切な浄水器を使うことがPFAS除去の鍵となります。
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5.日本の水道の基準

日本の水の安全性は『水道法』に定められた基準によって品質が保たれています。その基準を満たすように浄水場で処理され、各家庭に水道管を通じて届けられています。こちらの赤色の水道法第4条の51項目の基準をクリアしたものが水道水として届けられます。ライフラインとしてとても重要なものになりますので、安全性が最重要視されており、厳しい検査項目が設けられています。

実はこの検査基準は市販のペットボトルの水よりも検査項目が多いのです。
理由として、水道水は国が重要なライフラインとしての扱っている飲料水であるに対して、ペットボトルの水はジュースなどと同じような食品としての飲料水という違いがあるからです。
これを知っているだけでも、ちょっと周りに自慢できるハナタカポイントです。日本の水が安全であることはわかっていただけたと思います。

PFAS(ピーファス)においてはこれまで、水道法では最も重要とされる検査項目には入っていませんでしたが、日本水道協会が公表した2022年度の全国の水道水の水質検査の結果で、PFAS(ピーファス)の2つの物質について一定の濃度を超える値が3年連続で検出されたことで基準の引き上げの要件を満たしたとして「水質基準」に引き上げる検討を本格化させました。
(NHK_NEWS WEB)
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さらに、安心を求めるなら、浄水器の導入がおススメです。PFAS(ピーファス)は活性炭を使用した浄水器が有効なので、活性炭付きの浄水器をまとめました。


●活性炭を使用している浄水器



◇タカギ (Takagi)
「みず工房」シリーズは、蛇口一体型の浄水システムで、簡単に安全で美味しい水を提供します。このシリーズでは、活性炭フィルターを採用しており、水道水に含まれる塩素や有機物を効果的に除去します。これにより、料理や飲料にも安心して使用でき、毎日の暮らしにクリーンな水をもたらします。さらに、フィルターの交換も簡単で、長期間清潔な水を確保できます。タカギ (Takagi)のPFAS除去試験結果
プロが選ぶNo.1浄水器



◇クリンスイ (Cleansui)
三菱ケミカルが提供する浄水器ブランドで、高品質な水を提供することを目的としています。特に、活性炭を用いたフィルターを採用しており、有害物質や不純物を効果的に除去することで、安心して飲める水を実現しています。ポット型や蛇口直結型の浄水器が特に人気で、家庭の水道に簡単に取り付けられるため、手軽に利用できます。クリンスイは、家庭での水の質を向上させ、健康的なライフスタイルをサポートするアイテムとして、多くの家庭に愛用されています。クリンスイ (Cleansui)のPFAS除去試験結果


◇パナソニック (Panasonic)
パナソニックの蛇口直結型浄水器は、非常に優れた水質改善機能を備えています。この浄水器は活性炭フィルターを使用しており、塩素や農薬、さらにはさまざまな不純物を効果的に除去します。活性炭フィルターはその多孔質な構造により、水中の有害物質を吸着する特性があり、清潔でおいしい水を提供します。このシステムを利用することで、家庭での飲料水の安全性を向上させ、健康的な生活をサポートします。食事や料理に使用する水質を改善することができるため、家族の健康にも寄与します。パナソニック (Panasonic)のPFAS除去試験結果


◇トレビーノ (Toshiba)
トレビーノは、活性炭フィルターを使用した高性能な浄水器を提供しており、一般家庭での水質改善に大きな役割を果たしています。活性炭は、飲料水に含まれる不純物や塩素を効果的に吸着し、クリアでおいしい水を実現します。そのため、トレビーノは多くの家庭で信頼される選択肢となり、安心して飲水や料理に利用されています。手軽に取り扱えるデザインと、優れた浄水能力を兼ね備えたトレビーノは、日常生活に欠かせないアイテムです。トレビーノのPFAS除去試験結果


◇LIXIL
「ナビッシュ」シリーズの蛇口は、タッチレス機能や省エネ性を兼ね備えた高機能なデザインが魅力です。このシリーズは、手を使わずに水を出すことができるため、衛生面でも優れており、特にキッチンや洗面所での使用に最適です。また、浄水機能を持つモデルもあり、家庭内の水質向上に貢献します。ただし、全てのモデルに活性炭が使用されているわけではなく、活性炭フィルターの有無については各モデルごとに確認が必要です。これにより、使用者は自分のニーズに合った蛇口を選ぶことができます。LIXILのPFAS除去試験結果
LIXILタッチレス水栓 ナビッシュ ハンズフリータイプの特徴と利便性 毎日の面倒を軽減するタッチレス水栓を徹底比較



●お風呂にも浄水器

LIXILの「うるつや浄水」は、お風呂をより快適で健康的な体験にするために開発された浄水システムです。この技術は、浴びる水そのものを浄化し、肌や髪にやさしい水を提供することを目的としています。
主に水道水に含まれる塩素を効果的に除去し、入浴時の肌や髪への負担を軽減します。塩素は消毒のために水道水に含まれますが、肌や髪に残留することで乾燥や荒れを引き起こす可能性があります。特に敏感肌の方やアレルギー体質の方にとって、塩素除去は大きなメリットです。
「うるつや浄水」を搭載したシャワーや浴槽では、塩素除去フィルターを通して浄水された水が使われるため、肌のバリア機能を守り、髪もなめらかでつややかな仕上がりになります。また、日々の入浴の積み重ねで、肌の乾燥や髪の傷みを防ぎ、保湿効果も持続することが期待できます。これにより、リラックスできる入浴体験が得られるだけでなく、長期的に健やかな肌や髪のケアも可能となります。
LIXILの「うるつや浄水」は、入浴を単なる日常的な行為から、より美容と健康を意識した時間へと進化させる一助となる機能です。
うるつや浄水
※LIXILの「うるつや浄水」は、肌や髪にやさしい水を提供することを目的とした浄水システムですが、PFAS(ピーファス)を除去する効果については明記されていません。PFAS(ピーファス)は、環境中で広く存在し、健康への影響が懸念されていますが、「うるつや浄水」においてPFAS(ピーファス)の除去能力が確認されているわけではありません。ご使用の際は、この点にご留意ください。

6.PFAS(ピーファス)に関するまとめ

いかがだったでしょうか。PFAS(ピーファス)について体への影響や対策について紹介してきました。
直接的に体への影響が明確になっている訳ではありませんが、懸念があり、水質基準の変更が検討されていることは事実です。自分や家族の健康のことを考えてできることから対策していきましょう。
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